日本では長年、「日本人は投資をしない」と言われてきました。実際、アメリカなどの先進国と比べると、日本の投資率はまだ低い水準にあります。
ただし近年は、新NISAの開始やインフレの進行、SNS・YouTubeなどでの金融情報の普及により、日本人の投資率は大きく変化し始めています。
この記事では、日本人の投資率はなぜ低いのかをテーマに、2026年時点の最新動向をもとに原因を5つに整理してわかりやすく解説します。
あわせて、2020年から2026年までの投資率の推移や、今後どう変わっていくのかも紹介します。
この記事でわかること
- 日本人の投資率の最新水準
- 2020年から2026年までの投資率の推移
- 日本の投資率が低い理由5つ
- 近年投資人口が増えている背景
- 今後の日本の投資率の見通し
日本人の投資率はどれくらい?【2026年最新】
2026年前後の日本人の投資率は、調査の定義によって差はあるものの、おおむね35〜45%程度と見るのが一般的です。
つまり、ざっくり言えば3人に1人〜2人に1人弱が何らかの投資をしている計算になります。
ここでいう投資には、株式、投資信託、NISA口座での運用、iDeCoなどが含まれることが多く、調査によっては「投資経験あり」と「現在投資している」で数字が変わります。
ポイントは、日本の投資率はまだ先進国の中では低めですが、以前よりかなり上昇していることです。
日本人の投資率の推移【2020→2026】
日本人の投資率は、2020年以降に明確な上昇傾向が見られます。以下は複数の調査傾向をもとにしたイメージです。
| 年 | 投資率の目安 | 変化のイメージ |
|---|---|---|
| 2020年 | 約20〜25% | 投資はまだ少数派 |
| 2021年 | 約23〜28% | つみたてNISA認知が拡大 |
| 2022年 | 約25〜30% | 金融教育への関心が上昇 |
| 2023年 | 約28〜33% | 新NISA期待で口座開設増 |
| 2024年 | 約30〜35% | 新NISA開始で投資初心者が増加 |
| 2025年 | 約35〜40% | 制度普及で投資人口が拡大 |
| 2026年 | 約35〜45% | 投資が一般化し始める段階 |
この流れを見ると、2020年から2026年の6年間で約15ポイント前後の上昇が起きていると考えられます。
率にすると、約1.5倍規模で投資人口が増えているイメージです。日本では長く投資率が低迷していたため、これはかなり大きな変化と言えます。
日本人の投資率が低い理由【原因は5つ】
では、なぜ日本人の投資率は長い間低かったのでしょうか。主な理由は次の5つです。
- 現金志向が強い
- 金融教育が不足していた
- 給料が伸びず投資余力が少なかった
- 終身雇用と年金依存の文化があった
- 投資制度が使いにくかった
1. 現金志向が強い
日本人の投資率が低い最大の理由は、やはり現金志向の強さです。
日本では長く、「貯金は安全、投資は危ない」という価値観が根強くありました。特に親世代・祖父母世代からは、「お金は銀行に預けておくもの」という感覚が広く共有されてきました。
この背景には、バブル崩壊の記憶や、元本割れへの強い不安があります。大きく損をすることへの恐怖が、投資への心理的ハードルを高くしてきました。
つまり日本では、投資をしないのではなく、損をしたくない気持ちが強すぎて動けなかったとも言えます。
2. 金融教育が不足していた
2つ目の理由は、金融教育の不足です。
日本では長い間、学校で株式投資、投資信託、複利、資産形成といった内容を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんでした。
そのため、多くの人にとって投資は「よくわからないもの」「一部の詳しい人だけがやるもの」というイメージになっていました。
一方で、金融教育が比較的浸透している国では、若いうちから資産形成の考え方に触れるため、投資への抵抗感が小さくなりやすい傾向があります。
日本でも近年は改善が進んでいますが、長年の教育不足が投資率の低さにつながってきたのは間違いありません。
3. 給料が伸びず投資余力が少なかった
3つ目の理由は、家計に投資余力が生まれにくかったことです。
日本では長期にわたり賃金の伸びが鈍く、生活費、教育費、住宅費などの負担が家計を圧迫してきました。その結果、「投資したくても回せるお金がない」という人が多くなりました。
投資は余裕資金で行うのが基本です。毎月の生活に不安がある状態では、どうしても現金を手元に置きたくなります。
つまり、日本人の投資率の低さは意識の問題だけでなく、経済的な余裕の少なさとも深く関係していたのです。
4. 終身雇用と年金依存の文化があった
4つ目の理由は、自分で資産形成する必要性が昔はそこまで高くなかったことです。
日本では長く、終身雇用、年功序列、公的年金という仕組みが比較的安定していました。多くの人は「会社で真面目に働けば老後も何とかなる」と考えていました。
その結果、アメリカのように「自分で老後資金を運用して増やす」という文化が育ちにくかったのです。
しかし近年は、年金不安や雇用の流動化により、この前提が崩れつつあります。これが最近の投資率上昇にもつながっています。
5. 投資制度が使いにくかった
5つ目の理由は、制度面の弱さです。
過去の日本では、NISAの非課税枠が小さい、制度が複雑、投資メリットがわかりにくいなど、初心者にとって始めにくい状況がありました。
税制優遇が強く、資産形成の仕組みが広く浸透している国と比べると、日本は制度整備が遅れていた面があります。
ただし、この点は2024年の新NISAで大きく改善されました。最近日本人の投資率が上昇しているのは、この制度改革の影響がかなり大きいと考えられます。
なぜ最近は日本人の投資率が上がっているのか
日本人の投資率はなぜ低いのか、というテーマとあわせて、最近はなぜ上がっているのかも重要です。主な理由は次の3つです。
新NISAが始まったから
投資人口増加の最大要因は、やはり新NISAのスタートです。
非課税で長期運用しやすい制度が整ったことで、これまで投資をしてこなかった層が一気に動き始めました。特に「少額から積み立てたい」「難しい商品は避けたい」という初心者層にとって、新NISAは非常に入りやすい制度です。
インフレで「現金だけでは不安」という意識が広がったから
物価上昇によって、現金の実質的な価値が目減りする感覚を持つ人が増えました。
これまでの日本では「現金を持っていれば安心」という考え方が強かったですが、インフレ局面では現金だけに偏ること自体がリスクになります。
この変化が、投資に対する関心を押し上げています。
SNSやYouTubeで情報を得やすくなったから
以前と違って、今は投資情報を簡単に学べる環境があります。
特に20代・30代では、YouTubeやSNS、ブログを通じて「つみたて投資」「NISAの始め方」「インデックス投資」などの基礎知識に触れる機会が増えました。
投資は難しいという印象がやわらいだことも、投資率上昇の大きな背景です。
日本人の投資率は今後どうなる?
今後の日本の投資率は、さらに上昇していく可能性があります。
理由はシンプルで、投資率を押し上げる条件がそろってきているからです。
- 新NISAの認知拡大
- 金融教育の浸透
- インフレによる資産防衛意識の高まり
- 若年層の投資参加
- 老後資金への不安の増加
今後は、日本でも「投資は一部の人だけがやるもの」から、「普通の人が少額で積み立てるもの」へと認識がさらに変わっていくと考えられます。
その意味では、日本はすでに投資文化の入り口ではなく、普及フェーズの途中に入っていると言えます。
まとめ|日本人の投資率が低かったのは「投資しなくても生きていけた社会」だったから
日本人の投資率が低い理由は、単純に「日本人が投資嫌いだから」ではありません。
現金志向、金融教育の不足、賃金停滞、終身雇用文化、制度の使いにくさなど、さまざまな要因が重なって今の状況ができています。
ただし、2020年から2026年にかけて日本人の投資率は大きく上昇しています。新NISAやインフレを背景に、今後も投資する人は増えていく可能性があります。
つまり日本は今、「貯金中心の社会」から「投資を取り入れる社会」へ変わる途中にあると言えるでしょう。
この記事の注意点
本記事は一般的な情報提供を目的として作成しています。特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。投資判断はご自身の目的やリスク許容度に応じて行ってください。

